NEWS News
2024/02/02
春闘
2024春闘方針 3本柱はこれだ!
2024年の春闘では、重点要求項目に3つのテーマを掲げました。
1,賃上げ
2023年11月時点での実質賃金は、20カ月連続マイナスとなっています。(「毎月勤労統計」)東京23区の消費者物価指数は、2023年前年比3%上昇、煩雑に購入するもの(食品・ガソリンなど)44品目は2023年11月前年比6.4%上昇。
2023年10月「勤労者短観」アンケートによると「賃金の増加が物価上昇幅より大きい」と回答したのはわずか7%であり、2023春闘で30年ぶりの高水準の賃上げと言われていたものの、効果は一部にしか波及していなかったことがわかります。
1990年代後半からの30年で貧困層が増大し、格差は拡大し社会の不安定化・停滞・劣化がすすんでいます。
●具体的な要求
・物価上昇率を上回る5%(定期昇給相当2%含む)以上の賃上げ
・金額として、1万3275円以上(最低到達目標、月額26万5500円から算出)
●交渉にあたり
・利益が出ないと賃上げできないのか
・成果配分の考え方から脱却しよう
・労働者の生活を向上させ、内需を拡大し経済成長を促す
賃上げの実現
・賃上げが社会を活性化させることを経営者に訴える
・賃上げは経営者の社会的責任である
・社会の活性化は企業の繁栄につながる
2,企業内最低賃金
実質賃金の低下が続くなか、歯止めをかけるための地域別最低賃金が少しずつですが上昇しています。
しかし、パート、アルバイト、派遣、日々雇用などは、その最賃にはりついた低賃金のままです。
友誼団体の派遣ユニオンでは、「最低時給を最低賃金+20円(昨年度)とする」という内容で、某派遣会社と企業内最低賃金の協定を締結しています。
地域最賃が上がれば、それに連動して時給も上がるという協定です。
●交渉にあたり
・自分のことだけでなく、同じ職場で働く仲間の生活向上のためにも取り組んでいこう
・パート、アルバイト、派遣など非正規の労働条件も確認しよう(労働時間、時給など)
3,高齢者の就業条件の確保
年金受給開始年齢は、現在は65歳。60歳定年の場合、65歳までの収入が絶たれてしまいます。そのための措置として高年齢者雇用安定法があります。しかし、65歳までの雇用が本当の意味での安定した雇用になるとは限らないのです。
従業員の定年を定める場合は、その定年年齢は60歳以上とする必要があります。(高年齢者雇用安定法第8条)
定年年齢を65歳未満に定めている事業主は、65歳までの安定した雇用を確保するために、①65歳までの定年の引き上げ、②65歳までの継続雇用制度の導入、③定年の廃止、のいずれかの措置を実施する必要があります。(高年齢者雇用安定法第9条)
上記①~③のうち、圧倒的に多いのが②の継続雇用制度の導入です。
●継続雇用制度の問題点
・継続雇用先は、自社に限らずグループ会社でも可
・定年退職後に新たに雇用契約を結ぶことになるので、大幅な労働条件の低下、未経験の職種への異動も可
・どんな仕事でも雇用が確保されていればよい
●違法でなければ何でもいいのか
・同一「価値」労働、同一賃金を目指そう
・労働から撤退するのは自分で決める
・本人の希望を尊重させよう
●要求のポイント
・定年間近になってあわてないように、就業規則の確認
・定年後の雇用確保措置は①~③のどれなのか
・異動の可能性、賃金、所定労働日数、時間数の確認
・定年の廃止や、定年年齢の引き上げなどを要求しよう
・65歳以上でも健康であれば就労できる制度を求めよう
Blog
書籍
東京ユニオンの30年を面白く書き綴った「闘うユニオン」が発刊されました。
倒産と闘い職場を占拠する、派遣問題に取り組む、組織を独立させユニオン運動を推進する、など血わき肉躍るユニオンの戦闘史。
関口達矢+高井晃で旬報社より1500円+税で発売。
講談より面白い?!破天荒に闘い続ける東京ユニオンここにあり。一読ください。